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You Make the Card, Too

「カードを作りすぎたようだね、君たち」

Source: http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr78
Written by Mark Rosewater


 今回は、マーク・ローズウォーター(Mark Rosewater)氏の記事である"You Make The Card 2"の選考に於ける四方山話、"You Make The Card, Too"をお届け致します。例によって訳責は私、榊 井壹にありますので、良識派の皆様はソースや進藤氏訳に一度目を通して頂くことをおすすめします。それでは、拙い訳文ではありますが、ごゆるりとお楽しみ下さい。


 さて先週、それはもう長い長い遅れの後で、(これが最後だから言わせてくれよ。ごめんね!)漸く「カードを作るのは君だ!」(以下「作るのは君だ!」)第2回の最新の投票をお知らせすることとなってしまった。そこでは、非アーティファクト・クリーチャーに相応しい10個の候補を挙げておいた。その際、僕は第2回「作るのは君だ!」でのふるい分けの過程を考え、それから、最後には鼻の差で予選落ちしてしまったカードを吟味するつもりでいた。

「降れば土砂降り」、とはよくいうもので

 まずは、グッド・ニュースからお知らせしなきゃいけないね。magicthegathering.com、よくやってくれたじゃん。ここが発足してから1年6ヶ月の間に、ヒット数は鰻登り、それも毎月、比肩する物がないような数に。客足は今も鈍りやしない。2002年1月に始まったこのサイトで、僕らがうまくやってることをみんなにも感じてもらうため、年末に到着を図る一定のゴールを設けられた。終わってみれば、ありとあらゆるゴールというものにたどり着いたのは5月になった。

 で、この有り難いニュースだったんだけど、(ここの読者が多くなれば多くなるほど、それだけイカしたスタッフ達に提供しなきゃいけないリソースが増えるって事、思い出してくれればいいんだけど、)その一方で憂き目ももちろんあった。第2回「作るのは君だ!」のような特集のように、読者がいたく熱意を持って関わってくれた記事では、我々の古いやり方が仕事に追っつかなくなってしまったんだ。だから今は、こうした特集をもっとタイムリーに提供できるようなやり方を探してるところさ。

 その結果というのが、「戦争と平和」を読んだみたいなもんだよ。追加版の完本でね! トルストイがロシア革命の代わりに、アーティファクトの話題を綴ったとしたら、どうなるかぐらいわかるもんだろ。あなたがたの中で、「どうして全部の案を一人で読んだんだよ」、と問いただしたい方もあったかもしれない(まあ、先週の更新で告げた通り、遂に助け舟を出して貰ったのさ)。答えるなら、「デザイナーがプレイヤーのデザインした案を見れば、洞察力を高められるものだから」なのさ。結局、プレイヤー達が、めいめいの使ってみたいカードを作ってくれた。これは貴重な資料であって、だからこそ僕は出来る限りの努力を捧げて読んだわけなのさ。

 今日のコラムでは、僕が学んだレッスンを皆さんにも見て貰い、大層な数のカードの絞り込み方というものを、一部だけれど概観していただくことにしよう。

何が欲しいの、教えてよ

 で、プレイヤーのみんなはどんなのを使ってみたいか、って? そこで、多数派の意見を纏めてみよう(順番は、特に何かあるでもなく、僕が覚えてるようにしか並んでないからね)。

#1 − クリーチャーを殺す

 少なくとも、15枚に1枚はこういう類のカードだった。「(M)(マナ・コストを支払え、という意味だ), 〜を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」。で、この類のカードがトップ10に入ってないのはどうしてだって? 一つ、つまんないから。二つ、パーマネント破壊は色を定義するのに重要だからだ。アーティファクトでのクリーチャー破壊カードを作るためには、クリーチャー破壊に一番長けていない色で(ここでは緑かな)良すぎないカードにするため、コストを上げる必要に駆られるだろうね。ようは、アーティファクトは弱い側に位置づけられる宿命を背負わなきゃならず、誰もそのことを幸せに思ったりはしない。「作るのは君だ!」のカードはいいものにはしたいと思うよ。だから目的があって、構築済みに入れられないようだと分かるようなカードを取り上げるのは、やめたんだ。

 教訓: プレイヤーは、僕らにカードを作らせるのが好き。自分らは、殺すのが好き。

#2 − まだ、クリーチャーを殺す

 多くのプレイヤーは、たかだか1体殺すだけでは満足いかなかった。彼らの制作物は、カードを生け贄に捧げるという部分が省かれていることを除けば、本質は#1に同じ。

 教訓: プレイヤーは何回でも使える効果が好き。で、やっぱり殺すのは好きなんだな。

#3 − まだまだまだ、クリーチャーを殺す

 さらに別のプレイヤーは、たかだか1回にクリーチャー1体しか殺せないのに、エネルギーを無駄遣いするのはイヤだと言う始末。クリーチャー全滅を望んだのだ。それどころか、アーティファクトも。エンチャントも。そして、半数以上の人々が土地まで破壊しようという魂胆だ。皮肉にも、こういうカードはパーマネント除去としては最もアーティファクトらしいもの(つまりは《Nevinyrral's Disk/ネビニラルの円盤(UN-5E)》や《Powder Keg/火薬樽(UD)》の能力みたいなの)は、やはりアーティファクトの能力なわけだ。気付くとは思うけど、最終選考の10枚の中に、《Powder Keg/火薬樽》の亜種を、メカニズムGとして残しておいたよ。

 教訓: 全部ぶっ飛ばすのは、今や懐かしい昔の楽しみだよ。

#4 − ねえ、私をアクローマにして

 他に人気があったのはこれ。「(M), (Tap): クリーチャー1体を対象とする。それはこのカードが出来る前からの、あらん限りのキーワード能力を得る」。あの《Akroma, Angel of Wrath/怒りの天使アクローマ》がみんなの頭の中にあったから、アーティファクトで全部の能力を与えるというのは、止めた方が無難だということにしたよ。

 教訓: あればあるほど愉快愉快。みんな、僕らがカードに能力をいーっぱいつけるの、好きなんだよね。

#5 − オンスロート・ブロックのメカニズム

 みんなの中で、Onslaught Blockが好きで、今回のカードにも沢山考えちゃったよ、って人が少なからずいたね。これはMirrodin Blockに参入させるつもりだから、変異やサイクリングに絡んだいいカード達は、ひとまず置いとかせて貰おうね。

 教訓: 僕らがセットのテーマを奥の奥まで探索してくれるのが好きなのも、プレイヤーと言うものさ。

#6 − ミラディン・ブロックのメカニズム

 ネット上で噂を出している場所というのは色々あるが、いいサイトなのは分かってるつもり。でもね、多くの読者が「Mirrodinの正体見たり」、だとは思わない。投稿案を見た後で思いついた返答は、実のところこれしかなかったんだよね。Mirrodin Blockでもう使っちゃったテーマで思うつぼにハマって、いろんなカードが槍玉に挙げられる。あるカードは、同ブロックのカードのイミテーションだったよ。他の投稿案は、現存するMirrodinのカードに組み込まれちゃっているメカニズムさ。

 教訓: 君ら、Mirrodinの虜になっても知らないからね。

#7 − 機密上のメカニズムX

 あるメカニズムがしこたま姿を見せたので、2つの理由から、びっくらこいた。一つ、まだ出したことのない能力だということ。こんなにも出てきたものだから、驚いちゃうよ。二つ、(本当に驚いたんだけど、)"Tomato"(訳注:Mirrodin Blockの第3エキスパンションFifth Dawnのコード・ネーム)の中にあるまさにその能力だったということ。Tomatoがリリースされたら、「これが例のカードだよ」と教えてあげるから、その時は僕に、この話を思い出させて欲しい。

 教訓: R&Dは徐々に、サイキックと化している。

#8 − 前回の投票結果に「ふざけんな」

 数多いプレイヤー達は、クリーチャーでないアーティファクトの投票に不満を呈していて、その不満を、大概は起動コスト付きでクリーチャーに化けるアーティファクトを投票して表した。僕らは、この投票案を前回の投票に対しての反対意見であるという風に見倣して、新しい《Jade Statue(UN)》を作るのは止めに。

 教訓: ほんっと、プレイヤーはクリーチャーが好きなのね(中にはOnslaught Blockの売れ行き不審を招いた輩もあったようだがね)。

#9 − 青よ、受難の時だ

 前回の「作るのは君だ!」の時は非常に青に反するテーマが一貫していた。だいたいのカードが打ち消されないものか、なんか別の形で青をめちゃくちゃにする奴だ。10枚選ばれたうちの2枚は、こいつの仲間だ(メカニズムCとIかな? もっとも、僕は他に沢山のこういう案を頂いてるわけだがね)。

 教訓: 大多数のプレイヤーが、R&Dが今やってる青へのバッシングの陰に隠れている(そして蚊帳の外になった青好き達は? 心配ご無用、青は、1度ならずゲームの中で酷く扱われてきた他の色同様、きっと強くなって帰ってくるさ!)。

リストとは 1度できたら 2度チェック

 最初の通過点を超えて、95枚のリストの選考に行き着いた。R&Dには25枚ないし35枚のリストに収めると約束をしている。つまりR&D曰く35枚に収めてこいと言われたってこと。で、何週か前の火曜に、R&Dの週一で開く会議に僕のリストを携えていった。ただ、僕はただ、みんなのデザインの創作力を買って、カードを選ぼうとした、ということは忘れないで欲しいよ。ルールやパワーの問題で削除したりということはなかった、ってことを。それはR&Dがやる残りの仕事だからね。
 下に挙げたのは、(少々検閲をさせて頂いたけれど)会議に持ち込んだ35枚のカードだ。僕は出来る限り全部のカードを討議して、予選を通った、もしくは通らなかった理由を説明した(で、下のリストはポール・バークレイ(Paul Barclay、レベル3ジャッジ)が会議の日の朝にかき集めて作った、大まかなテンプレートに則った表記をしている点にご注意を)。

 (訳注:できるだけ、訳者の方でもルールテキストは括弧書きで補足を加えることとした。テキスト訳注は※を用いる)

メカニズム、第1案 − 却下
ターン終了時に、アンタップ状態の全てのパーマネントをタップし、それと同時に、タップ状態のパーマネントをアンタップする。

少々議論をした後、R&Dが下したのは、このカードはVisionsの《Sands of Time/時の砂(VI)》に酷似しており、また《Seedborn Muse/種子生まれの詩神(LI)》(及びその先輩の《Awakening/覚醒(SH)》)と殆ど同じような使われ方をされるだろう、という見解だったよ。

メカニズム、第2案 − 採用(メカニズムA)
あなたは、自分の墓地にある土地カードを、自分の手札にあるかのようにプレイしてもよい。

このカードの有用性は非常に気に入った。このカードは、いろんな使い道を与えてくれるだろう。

メカニズム、第3案 − 却下
(M),(Tap):このターンの直後に、追加の1ターンを得る。対戦相手1人を対象とする。その対戦相手は、〜のコントロールを得る。

R&Dの考えでは、いいカードだが2つの大きな問題を抱えているということだった。一つ、アーティファクトのアンタップ手段があれば、続けざまに追加の複数ターンを得られること。これは、効果が解決されるまで、コントロールの交換は発生せず、コントローラーにアンタップさせて、コントロールが失われる前にその効果のコピーをスタックに乗せることを許してしまうからだよね。少し弄れば問題は解決すると考えられた(が、思ったより簡単にはいかなかったんだよ)。そして二つ、追加のターンを与えるというのは、非常に危険な能力だ。というのも、30分も続くターンを進行させるプレイヤーで環境が席巻されないようにしたいので、こういう能力のカードが推されないように健闘を強いるからだ。僕らは「作るのは君だ!」で選ばれたカードは是非プッシュしたいという意向があり、R&Dの見解で、このカードは強く推されるべきじゃないと考えられた。でだ、僕らも感じた通り、みんながいい感じのしないカードを作るのは、打ち切りにしたよ。

メカニズム、第4案 − 却下
呪文1つか能力1つがスタックに置かれるたび、それが対象を1つだけ取るならば、そのコントローラーは別の適正な対象1つを選ぶ。あなたはその呪文がどちらの対象を取るかを選ぶ。

R&Dの一部はこのカードをお気に召したようだけど、ルール部門長のポール・バークレイは、違ったね。そもそも、このカードは呪文が干渉を受けたくない時に干渉をしたがるようなものなのだ。僕らはUngluedの《Goblin Bookie(UG)》でも同じ問題を抱えたことがあったけど、トーナメントの問題にならないということは知っていたから、一つ成り行きに任せたところがあった。

メカニズム、第5案 − 却下
プレイヤー1人がカードを1枚引く時、代わりに全てのプレイヤーがカードを1枚引く。
プレイヤー1人が(※自分の手札から)カードを1枚捨てる時、代わりにプレイヤーはそれぞれ(※自分の手札から)カードを1枚捨てる。

こういうのが、その機能を見るまで、とくに2枚以上場に出ている時に同機能するかを見るまで、いいねえと思ってしまうカードなんだ。もし、2人戦で、これが2枚場に出ていたら? 2枚。じゃあ3枚場に出ていたら? 4枚。じゃあ、4人戦でこれが4枚場に出ると? 64枚になっちまうんだ(訳注・解説:1枚目を処理して置換すると、全員が1枚ずつのドロー。ところが2枚目を処理する時、全員で合わせて4枚のカードが引かれることになるが、これが全部「全員1ドロー」に化け、全員が4枚ずつドローする。これを3枚目、4枚目を同様にするため、4の3乗で全員が64ドローとなる)。それから僕は《Careful Study/入念な研究(OD)》みたいにドローとディスカードを両方行うようなカードの場合も考えていなかった。結局、このカードの価値以上に、混乱が待ち受けているだろうというR&Dのご意見であった。

メカニズム、第6案 − 採用(メカニズムB)
カード1枚が場に出る時、〜はそれぞれのタイプのカウンターが、(※代わりに)本来に加えてもう1個置かれた状態で場に出る。

このカードも、多才ぶりを発揮してくれた1枚。Ungluedのプレイヤーというのは、いつでも《Giant Fan(UG)》に興味を示していて、これもあらゆる種類のカウンターに対して、こうした遊び心があったカードだね。君らみんなにこのカードで楽しんで貰いたいから、採用を決めた。

メカニズム、第7案 − 却下
クリーチャー1体がキーワード能力1つを持つたび、それとクリーチャー・タイプを共有する全てのクリーチャーは、その能力を持つ。

このカードが問題有りと思われる最大の徴候は、あのルール面では悪名高い《Escaped Shapeshifter/逃亡した多相の戦士(TE)》によく似ているという点。次の例を考えてごらんよ。《Imagecrafter/映像の造形者(OS)》と《Goblin Sledder/ゴブリンのそり乗り(OS)》が場に出ている。そこに《Flight/飛行(UN-7E)》を《Goblin Sledder/ゴブリンのそり乗り》にプレイする。こいつがキーワード能力の飛行を持っているため、《Embermage Goblin/燃えさし魔道ゴブリン(OS)》を場に出せば、飛んでることになる。そこで、《Embermage Goblin/燃えさし魔道ゴブリン》とタイプを共有する《Imagecrafter/映像の造形者》も飛行を得る。で、ここで《Goblin Sledder/ゴブリンのそり乗り》を生け贄に捧げるんだよ。この2体のウィザードは、一見飛行を持つクリーチャーが場に全く存在しないような印象を受けるのに、互いに飛行を与え続けることになってしまい、で、飛んでるというお話さ。少なくとも、僕らならこんな風に機能するという解釈をするだろう。ポール曰く、「マジックに《Escaped Shapeshifter/逃亡した多相の戦士》は2体といらねえよ!」だってさ。

メカニズム、第8案 − 却下
(M),(Tap):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーのカードを上からX枚、自分の墓地に置く。Xは、スタックの上に置かれている呪文と能力の数に等しい。

前々よりR&Dの間では、「スタック」という単語を文章欄では使わない、と決めていた。でも《Mirari/ミラーリ(OD)》の出現に伴い、例外を作ってしまった。僕らは《Mirari/ミラーリ》から、先の考えが正しかったこと、「スタック」という単語を用いるのは、大きなマイナスと考えるべし、とのご指導を給わった。でも、絶対に使わないという極端な意味ではないし、いいカードにはこれを使う価値があると思う。ま、R&Dはそこまでのカードじゃないという判断をしたわけだけどね(下記のメカニズムIに相当する第31案で、「スタック」という言葉を使って書き改められることになり、この敷居は飛び越えられた)。

メカニズム、第9案 − 却下
あなたがカード1枚をプレイするたび、カードを1枚引く。
カード1枚があなたの墓地に置かれるたび、あなたは自分の手札からカードを1枚捨てる。

 R&Dは、このカードを「コワレてる」(訳注:原文"bah-roken"。これについては、Ask Wizard、2003年2月17日に寄せられたDavid Logsdonの質問を参照。実は、回答者がMark Rosewaterなのだ!)ドロー・エンジンと呼んだ。たとえマナ・コストが高かろうが、印刷されて世に送り出されるのを恐れるほど強いという悪寒がしたんだね。

メカニズム、第10案 − 却下
プレイヤー1人がマナを引き出す目的で土地1つをタップするたび、そのプレイヤーのそれぞれの対戦相手は、自分の次の(戦闘前)メイン・フェイズの開始時に、自分のマナ・プールに、それと同じ点数とタイプのマナを加える。

 このカードの目新しさにR&Dも惹かれはしたけど、けして多くはないマナ量を記憶するのに手間がでかいという問題を抱えていたんだ。

メカニズム、第11案 − 却下
あなたは、X点のライフを支払うことで、(※あなたがコントロールする)呪文をプレイすることを選んでもよい。Xは、その呪文の点数で見たマナ・コストに等しい。

 これも「コワレてる」エンジンだね。色マナにも対応した永続版《Channel/チャネル(UN-4E)》さ。R&Dが後に知ったこととなったことに、マナの制限を永続的にかいくぐらせるのをプレイヤーに認めるようなカードは、破滅的な効果をもたらすということ(《Dream Halls/ドリーム・ホール(SH)》を参照してくれ)。

メカニズム、第12案 − 却下
[検閲]

 このカードを会議で取り上げたけれど、このカードは、現在進行中のデザインに完璧と言っていいほどぴったりだという風に思われた。この言葉は、そいつを例のセットに入れたいという以上の意味だということは、みんな頷いてくれるだろう。そのセットが出てきたら、どれがそのカードなのか、耳打ちしてあげようかと思う。

メカニズム、第13案 − 却下
トークンでなく、なおかつ能力を1つも持たないクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。

 このカードも好評を博していたが、遂に切られた。並のプレイヤーがこれを正しくプレイできないように思われたんだ。《Grizzly Bear/灰色熊(UN-7E)》に《Flight/飛行(UN-7E)》をエンチャントで付けたら2/2かな4/4かな? 答えは2/2。《Fervor/熱情(6E-7E/WL)》が場に出てたら? ダメ。《Fecundity/繁殖力(UZ)》は? これはオッケー。コボルド(Kobold)は+2/+2の修正を受けるかい? これも駄目だ(訳注:これをRosewaterのミスだと指摘しそうになった諸侯は大変にルールに明るいと思うが、2003年7月1日以降、特性設定能力に関するルールが、CompRulesで変更されたている事を留意せよ。下記参照)(《Barkhide Mauler/樹皮革のやっかいもの(OS)》みたいな)サイクリング持ちのバニラは? 駄目。(《Krosan Beast/クローサの獣(OD)》みたいな)スレッショルドに満たないまで能力を持たないクリーチャーは? やっぱ駄目。このカードを落とさなければならないほど、沢山の予期せぬ問題が出てくるのが現状だよ。

nota bene: (Source: Comprehensive Rules modified on 2003.7.1.)
405. 「常在型能力(Static Abilities)」より
405.2. 対象物の中には、この対象物は1つ以上の能力または特性を「持つ」(have/has)と記載されたものや、1つ以上の特性が何らかの値で「ある」(is/are)と記載されているものがある。ここで「〜である」(is)は上位タイプ(註:"supertype,"Basic," "Legendary"など指す. 205.4.参照)、サブ・タイプ、色に特有の表記とする。これらは特性設定能力(characteristic-setting ability)と称される。他の対象物の特性に影響を与える対象物の能力は、この特性設定能力には当たらない。201.「特性(Characteristics)」、及び418.5.の各ルールを参照(これらは各自読むこと。さもなくばこのページの余白を食い尽くすであろう)。

メカニズム、第14案 − 採用(メカニズムC)
パーマネント1つがプレイヤーの手札に戻される時、代わりにそれは場に残る。

 マジックには、ゲームのある側面を遮断するというカードに満ちあふれている。バウンスとて、例外にあたるだろうか? また、アンチ青の強い代表を1度か2度くらいは承諾したかった。

メカニズム、第15案 − 採用(メカニズムD)
あなたのアップキープの開始時に、カードを1枚引く。
あなたがプレイする呪文は、プレイするためのコストが(1)だけ増加する。

 この2つの能力の間にある対立関係、そして美意識が本当に気に入った。加えて、トーナメント・プレイヤーにはなじみやすい能力でもあるね(マナ・コストを知らない状況で、どういうのがトーナメント向きの能力かを知る方法も、後の記事で語ることにしようか)。

メカニズム、第16案 − 採用(メカニズムE)
プレイヤーは、自分の手札を公開してプレイする。
プレイヤーは、他のプレイヤーのターンの間には、呪文をプレイできない。
プレイヤーはそれぞれ、他のプレイヤーの手札にあるカードを、自分の手札にあるかのようにプレイしてもよい。

 ポールは、ありあらゆる混沌とした状況が起きるのを防ぐ意味で、2行目を加えた。このカードは、ルールでは扱えないようなカードではなかったのである。というのも、並のプレイヤーが優先権の概念を十分に理解していないのでは、という懸念があったからなんだ。でも、《Word of Command(UN)》みたいなこの雰囲気はたまらないし、パワー馬鹿やら自己表現派の中には、アピールを受ける人もいるんではないかと思ってね。

メカニズム、第17案 − 却下
(M),(Tap):プレイヤーはそれぞれ、自分がコントロールする他のアーティファクトの起動型能力を全てスタックの上に置く。対象と他の選択については、通常通り行う(起動コストを支払う必要はない)。

 混乱した人のために説明するけど、このカードのアイデアというのは、こいつをスイッチポンで起動させると、他のアーティファクトまで全部起動しちゃうという代物。大変いいアイデアだけど、混乱するし、ルールの問題も沢山出てくる。それに、こういうカードが2枚あると、もうそれで無限ループ発生、さ。

メカニズム、第18案 − 採用(メカニズムF)
クリーチャーを1体を対象とし、そのマナ・コストを支払う:そのクリーチャーのコントロールを得る(マナ・コストは色を含む)。

 このカードが、奪取系の色(青や赤)をつま先立たせにしないかという懸念があった。でも、かつてコントロールを奪うパーマネントの歴史から、少しはアーティファクトにも見られていた事から、このカードを作ってもいいと決めたんだ。トークン・クリーチャーをただで取られては困るので、起動コストに(M)を付ける形にはなったけどね。

メカニズム、第19案 − 却下
プレイヤー1人がトークンを1個場に出すたび、そのプレイヤーはカードを1枚引く。

 一方で、R&Dがこのカードとのコンボで大量カード・アドヴァンテージを形成するデッキが大量発生しないかという懸念を抱いたのに対し、他方で僕らは、クリーチャーの一部に「トークン」を参照するようなカードを、味気なくなるから嫌っていたというのがある。見終わった後はゴミ箱へ。

メカニズム、第20案 − 却下
[検閲]

 このカードは2つの能力があって、相互にコントラストが映えているカードだ。不幸にも、その両者の能力が、Mirrodinの2枚の別々のカードに収録されていたんだよ。R&Dでは、1枚のカードにこの2つの能力を混ぜたカードを作るという意向でいる。

メカニズム、第21案 − 却下
(Tap):パーマネント1つを対象とする。そのパーマネントのコントローラーはターン終了時まで存在しなくなる。

 このカードのせいで、こんな会話が生まれた(聊かわざとらしいけど、許してちょうだい)。

ポール:「コントローラー、不在? これ、どういう意味なんだよ?」
僕:「わかるけどなあ!」
ポール:「まあ、俺は否定的だな、ってこった。」
僕:「えーっ。」

 ザ・クラッシュじゃないけど(訳注:原文を見て頂きたく)、ルールとの戦いには、結局敗走しちまったね。

メカニズム、第22案 − 却下
[検閲]

これもまた、(大きな調整さえ加えてあげると)完璧なカードだね。もう一度言うけど。これが現行のカードで出てきたら、きっとそのことをお知らせするよ。

メカニズム、第23案 − 採用(メカニズムG)
(M),〜を生け贄に捧げる:それぞれのプレイヤーは、秘密裏に数を1つ選ぶ。選ばれた数を公開し、プレイヤー1人だけが選んだ数について、点数で見たマナ・コストがその数に等しい、土地でない全てのパーマネントを破壊する。

 このカードは、R&Dの会議を二分しかねなかった。賛成派、反対派があったんだ。それが功を奏して「僕らの意見を二分するんだから、面白い選択肢じゃないの?」ということで採用。

メカニズム、第24案 − 却下
(Tap):ターン終了時まで、(Tap)を伴うクリーチャーの能力は、そのクリーチャーをタップする代わりに、(M)を支払うことでプレイしてもよい。

 これも実現度の高いカードだったね。しかし、結果この案を切ったのは、一貫した次のルールがあったからだ。このカードは、クリーチャーが召喚酔いである間については、(Tap)能力をプレイさせない。それも、この能力の「マナ・コスト(M)を使って能力をプレイすることによっても、能力の(Tap)シンボルを失わせる事にはならない」からなんだ。だから、このクリーチャーは、まだ召喚酔いの影響を受けている、というわけ。

メカニズム、第25案 − 却下
土地でないパーマネントの起動型能力は、プレイするためのコストが(1)だけ増加する。

特にR&Dの大半が興醒めだという理由が致命傷になって、このアイデアは屠られた。

メカニズム、第26案 − 却下
[検閲]

ポールがこのカードのルールが狙っている(また、みんなもそんな動き方をするだろうと考えている)効果は、ルールで抑えつけられるべきだと言うまで、僕らの中で賛成票が多かった。ロバート・グーチェラ(Robert Gutschera、調査・開発班の一人)なんて、いちばん最近の「空想作戦」(訳注:"Vapor Ops", MTG.comで最近取り上げられた問題とその解説についてはhttp://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/rb68を参照)という、マジックのカード制作能力を問うテストでこのカードを取り上げた位だよ。

メカニズム、第27案 − 却下
[検閲]

このカードは、Tomatoの案にある優れたカードに酷似してたから、切られちゃったよ(このカードの出来より、僕らが現に作っておいたカードの方が、しっかりとしているとは思うけどね)。

メカニズム、第28案 − 却下
土地がマナを引き出す目的でタップされた時、それは本来のタイプの代わりに、それと同数の無色のマナを生み出す。
(2):あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1点を加える。どのプレイヤーもこの能力をプレイしてよい。

このカードの進退について、R&Dそのものも進みつ退きつの論議を交わした。結果、もっとよいカードがあるだろ、と割り切ったんだ。

メカニズム、第29案 − 却下
それぞれのプレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーの総数に等しい値のライフを得る。その後で、プレイヤー1人を対象とする。前者のプレイヤーは、、対象となったプレイヤーがコントロールするクリーチャーの総数に等しい値のライフを得る。

この表記では、対戦相手が自分よりクリーチャーを多く出しそうな時には、自分を対象にするだけで結局ライフをチャラにするだけで済んだので、役には立たなかった。まあ、この変更はたやすいもんだけどね。支持者はそれなりにいたようだけど、見かけ通りの面白いプレイには結びつくと思ったR&Dのスタッフは、全く足らなかったよ。

メカニズム、第30案 − 採用(メカニズムH)
それぞれのターンに、そのプレイヤーはドロー・ステップの前に追加のアップキープ・ステップを得る。

これも大変な議論を巻き起こした。ここじゃ、容認派が勝っちゃったんだよね。

メカニズム、第31案 − 採用(メカニズムI)
あなたの手札からカードを1枚捨てる:あなたがコントロールする呪文1つを対象とし、それを打ち消す。その後で、その呪文をそのオーナーの墓地に置く代わりに、そのプレイヤーの手札に戻す。

R&Dがこのカードの巧妙さと機敏さをあわせて賞賛することになった。

メカニズム、第32案 − 却下
〜は、呪文や能力の対象とならない。
ターン終了時に、あなたはこのゲームに敗北する。
〜以外のパーマネント1つを生け贄に捧げる:コインを投げる。あなたがコイン投げに勝ったならば、対戦相手1人を対象とする。その対戦相手は、〜のパーマネントを得る。

表記通り、このカードは、いずれか1人のプレイヤーを勝たせてゲームの幕を下ろす。でも、「ターン終了時に」、という言葉を見てくれよ。つまりこいつを使うと、出たターンにゲームが終わってしまう。調整は細かくしたつもりだけど、結局文章が長くなって、エレガントじゃなくなってしまったんだよね。

メカニズム、第33案 − 却下
(M),(Tap):あなたの墓地にあるカードX枚を(「最大でX枚まで」?)対象とし、それらをあなたのライブラリーの一番下に置く。その後で、あなたのライブラリーのカードを上からX枚、あなたの墓地に置く。

これも予選突破に後一歩と迫る勢いはあったけど、それよりも僕らは、リストに載せられた他のカードに興をそそられてしまった。

メカニズム、第34案 − 却下
(M),(Tap):〜を生け贄に捧げる:プレイヤーはそれぞれ、自分の墓地にあるクリーチャー・カードを場に戻す。〜は、そのプレイヤーがこの方法で場に戻したカード1枚につき、そのプレイヤーに1点のダメージを与える。

この効果は、そんなに何回もやらなくてもいいだろ、と思うカードで、それももう、Onslaughtでやっちゃったんだよね(《Patriarch's Bidding/総帥の召集(OS)》でね)。

メカニズム、第35案 − 採用(メカニズムJ)
(Tap):あなたが選んだプレイヤー1人のマナ・プールに、無色のマナ1点を加える。

これも議論で大いに場を乱してくれた。R&Dの中には、気乗りしないのもいる傍ら、好むメンバーもいた。運良く、好きだと言ってくれた人の方が多かったようだよ。

カードを通して

 みんなご覧になった通り、沢山のわくわくするようなカード(中には、Mirrodin Blockにくりそつな奴がいたせいで漏れてしまった、少なからぬいいカードもあったよね)を送って頂いて選ぶのに困らなかった。最終選考となった10枚のカードが、プレイ・スタイル、アーティファクトの違った利用法のどちらも兼ね備えてる、この素晴らしいスペクタクルの代表として選ばれたことが、僕には本当に幸いなことだよ。何が勝つか、もう興味津々だよ。

 僕の来週の記事では、どうして8th Editionで全てのエキスパンションから1枚以上のカードを選ぼう、ってことになったのか、その経緯についてご紹介するので、是非とも見ておくれよ。
 その時まで、君たちの作ったカードが、実際の印刷版になってまみえることを。

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