アーケード版「ブロックアウト」のスコアシステムは、少し特殊な部分があります。というのも、基本的にはフェイス消去が余り大きな得点に結び付かず、落下点を稼いでいき、5面おきのボーナスゲームでもフェイス数を稼ぐという基本戦術が確立されるからです。どうしてそうなるかという点について、まずは可能な得点方法を列挙した上で、解説したいと思います。
得点手段・計算式 | 解説・備考 | 図解 |
---|---|---|
ポリキューブの落下(Aボタン) (落下段数)×(構成キューブ数) min: 0pts. max: 45pts. |
(解説)Aボタンを押した時点から、最初に接地するまでの落下段数を計算する。 (上図)Round 1で、3Iを高さ11にある時点で即座に落下させた。このときの得点は、落下段数が10段、構成キューブが3個のため、10×3=30点を得る。 (下図)Round 1で、4Oを高さ11にある時点でBボタンで回転させて、立てたままに落下させた。このときの得点は、落下段数が9段、構成キューブが4個のため、9×4=36点を得る。 (注意)後述の「階段落とし」を行った場合、階段落としを行う前に落下させた段数のみを得点とする。つまり、Aボタンで落下を行ってから最初に地形に接地された時の段数しか数えない。 (備考)最大の落下点はペンタキューブを高さ10から落とした時の45点。5PがRound 9, 10で、5XがRound 10で出現する場合しか、このケースは存在しない。尤も、階段落としの方が点効率は高い。 |
|
階段落とし 1回毎に、一律100点 min: 0pts. max: 900pts. (※公式名称不詳のため、独自の呼称を用いた) |
(解説)Aボタンで操作中のポリキューブを落下させ、「ゴン」という接地音が聞こえた後も、ごく僅かな時間だけレバー入れや回転を行う余地がある。その操作でポリキューブの足下にブロックが無ければ、自由落下が発生しその時の落下点が本来の得点の代わりに100点となる。 (上図)Round 2で4Lを立てて2段目に落とし(通常の落下で28点)、そこからレバーを右へ動かすと1段目に自由落下する(100点)。それで終わらずに、更にレバーを下に動かせば地表に落下し(100点)、階段落としだけで合計200点を得られる。そこに通常の落下点も加算されるので、1つのブロック落下で得られる合計得点は228点である。 (下図)接地後はレバー移動だけではなく、回転によっても階段落としと同じ現象を発生させることが出来る。Round 1で3Iを立ててから落とすと、9段の落下のためそのままでは27点しか貰えないが、接地直後にBで寝かせると、高さ2の地点に横に寝ることになり、1段の自由落下が発生し、その点数が100点扱いとなる。よってこの操作で貰える合計得点は127点である。上図でもBによる回転を使えば更に100点を稼ぐことが出来る。 (備考)階段落としによる落下は、何段落としても100点である。そのため、1段ずつ落とす方が効率がより良くなる。また、「ゴン」という接地音が鳴らなかった場合は、階段落とし判定が失敗していて、得点が加算されないので注意が必要である。 |
|
フェイス消去点 50×(1回での消去面数)×(消去された段の高さの合計) min: 50pts. max: 6,000pts. (別表1:消去点数一覧も参照せよ) |
(解説)N段目で消されたフェイスは、1段目を消した時の得点のN倍となる。また複数フェイスを同時に消すと、それぞれの段の高さが別々に加算されるだけでなく、同時に消した面数が得点に掛かる。 (上図)Round 5で「5段消し」(クインティプル)に成功した場合を考える。それが最下段(1〜5段目)なら、50×5×(1+2+3+4+5)=3,750点を得る。これがもし1段底上げされて2〜6段目での消去ならば、最後の項が(2+3+4+5+6)なので、5,000点を得る(但し、これら、特に後者のケースは現実に狙うのはほぼ不可能である)。 (下図)スプリット消し(1段以上跨いで複数段を消すこと)が発生した場合の計算も、同様の式で求めることが出来る。Round 30相当で、次のような地形で5Fを突き刺すと、ダブルで2段目と4段目が消える。このときは、50×2×(2+4)=600点を得る。 (備考)本ゲームの最大消去点(6,000点)は、Round 11で4Iを引き、6〜9段目を消去する場合である。これも2〜6段目の5面消し同様の「臨死」手順である。 |
|
ブロック・アウト(全消し) 消去点の10倍 min: 500pts. max: 37,500pts. |
(解説)ブロック・アウトは、最下段での消去(1+2+...+n段目)しか原則あり得ないため、下記の得点となる。前記してある括弧の中身は、最下段での消去点の計算過程である。 1 face: (50×1×1=)50×10=500点 2 faces: (50×2×3=)300×10=3,000点 3 faces: (50×3×6=)900×10=9,000点 4 faces: (50×4×10=)2,000×10=20,000点 5 faces: (50×5×15=)3,750×10=37,500点 |
"BLOCKOUT!" |
クリアボーナス (残り空間の数)×(下記倍率) 10n+1面: ×2 | 10n+2面: ×4 10n+3面: ×9 | 10n+4面: ×8 10n+5面: ×4 | 10n+6面: ×9 10n+7面: ×6 | 10n+8面: ×5 10n+9面: ×8 | 10n+10面: ×14 ボーナスステージ: ×0 min: 48pts. max: 1,260pts. (別表2:クリアボーナス最小値・最大値一覧も参照せよ) |
(解説)ステージクリア時のピットの体積から、残ったキューブを引くと残り空間数が算出できる。なお左記の通り、所定倍率は1周に相当する10面毎に決まっている。ボーナスステージにはない。 (上図)Round 18(7×3×9、体積は189)を図のような盤面でクリアした(5手目がクリア時点の図)。クリアすると上の層から順にキューブが消えていき、積んであった状況が把握できるが、この状態では12個のキューブが残っているので、残り空間数は177。末尾8面の倍率は×5なので、177×5=855点を得る。 (下図)クリアボーナスの最高点は全消しでラウンドを終わらせた場合に発生するが、逆に最も低いクリアボーナスを取るには、全てのフェイスを残り1個まで積み上げ、後は最上段で消すという方法がある(4手目がクリア時点の図)。この場合は、Round 21での理論上最低の得点を取った場合で、残り空間数は24、すなわち48点となる。同様にして、各面の最低クリアボーナスは(所定倍率)×(底面積+高さ-1)で求められる。 (備考)国内版および海外版の中でも"Set 2"と呼ばれているものは、この方式のクリアボーナスを採用している。しかし、海外版の"Set 1"というものには気をつけて欲しい。Set 1では、全く異なるクリアボーナスのルールがあり、「(クリアしたラウンドの番号)×1,000点」という明らかに高いスコアが入る(50面で打ち止め、以降は全て50,000点となる)。 |
|
ボーナスステージのボーナススコア (消去フェイス数)×1,000点 min: 0pts. |
(解説)ボーナスステージでは底面2×2の高速ピットで、30秒間に消去できたフェイス1面につき1,000点が与えられる。なお、窒息して30秒耐久出来なかったとしてもゲームオーバーにはならず、ボーナスを得られる。 (備考)ボーナスステージをプレイ中の落下点や消去点はプレイ中に加算されている。階段落としも適用されるし、ブロック・アウトの場合も勿論10倍の消去点を得るが、ボーナスステージでのブロック・アウトに限り、レベルが1には戻らない点に注意。 |
|
段数計 | 1 face | 2 faces | 3 faces | 4 faces | 5 faces |
---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | ||||
2 | 100 | ||||
3 | 150 | 300 | |||
4 | 200 | 400 | |||
5 | 250 | 500 | |||
6 | 300 | 600 | 900 | ||
7 | 350 | 700 | 1,050 | ||
8 | 400 | 800 | 1,200 | ||
9 | 450 | 900 | 1,350 | ||
10 | 500 | 1,000 | 1,500 | 2,000 | |
11 | 550 | 1,100 | 1,650 | 2,200 | |
12 | 1,200 | 1,800 | 2,400 | ||
13 | 1,300 | 1,950 | 2,600 | ||
14 | 1,400 | 2,100 | 2,800 | ||
15 | 1,500 | 2,250 | 3,000 | 3,750 | |
16 | 1,600 | 2,400 | 3,200 | ||
17 | 1,700 | 2,550 | 3,400 | ||
18 | 1,800 | 2,700 | 3,600 | ||
19 | 1,900 | 2,850 | |||
20 | 3,000 | 5,000 | |||
21 | 3,150 | ||||
22 | 3,300 | 4,400 | |||
23 | 3,450 | ||||
24 | 3,600 | ||||
25 | |||||
26 | 5,200 | ||||
27 | 4,050 | ||||
28 | |||||
29 | |||||
30 | 6,000 |
Multiplier | Round | Pit | Volume | Min. | Max. | Round | Pit | Volume | Min. | Max. | Round | Pit | Volume | Min. | Max. |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
×2 | 01 | 4x4x11 | 176 | 52 | 352 | 11 | 4x4x10 | 160 | 50 | 320 | 21 | 4x4x09 | 144 | 48 | 288 |
×4 | 02 | 3x4x11 | 132 | 88 | 528 | 12 | 3x4x10 | 120 | 84 | 480 | 22 | 3x4x09 | 108 | 80 | 432 |
×9 | 03 | 4x3x11 | 132 | 88 | 1,188 | 13 | 4x3x10 | 120 | 84 | 1,080 | 23 | 4x3x09 | 108 | 80 | 972 |
×8 | 04 | 3x3x10 | 90 | 144 | 720 | 14 | 3x3x09 | 81 | 136 | 648 | 24 | 3x3x08 | 72 | 128 | 576 |
×4 | 05 | 5x5x07 | 175 | 132 | 700 | 15 | 5x5x07 | 175 | 132 | 700 | 25 | 5x5x07 | 175 | 132 | 700 |
×9 | 06 | 2x5x08 | 80 | 153 | 720 | 16 | 2x5x08 | 80 | 153 | 720 | 26 | 2x5x08 | 80 | 153 | 720 |
×6 | 07 | 4x5x08 | 160 | 162 | 960 | 17 | 4x5x08 | 160 | 162 | 960 | 27 | 4x5x08 | 160 | 162 | 960 |
×5 | 08 | 7x3x10 | 210 | 150 | 1,050 | 18 | 7x3x09 | 189 | 145 | 945 | 28 | 7x3x08 | 168 | 140 | 840 |
×8 | 09 | 3x5x10 | 150 | 192 | 1,200 | 19 | 3x5x09 | 135 | 184 | 1,080 | 29 | 3x5x08 | 120 | 176 | 960 |
×14 | 10 | 3x3x10 | 90 | 144 | 1,260 | 20 | 3x3x09 | 81 | 136 | 1,134 | 30 | 3x3x08 | 72 | 128 | 1,008 |
以上が、ブロックアウトで獲得できる全てのスコアの詳細です。上記の表からは以下のような結論が導き出されます。
したがって、スコアリングにおける最速の近道は、階段落としを全ての局面で可能な限り実行し、またボーナスステージを完璧にこなし続けることに他なりませんが、これらはアクション要素の入ったパズルと、即答型パズルという別々のスキルが試されることになります。また、ゲームオーバーになってしまえば、いかに高い点効率を維持できても、このゲームでは頓死する状況が余りにも多く、最悪の場合は苦労が全て水の泡になるため、特に後の面ではなんとしても生き残り、広い待ち方の出来る積み方を淡々と実行するテクニックという、第3の要素までもが必要になります。その意味では、スコアアタックは面数アタックと同等に厳しい道のりであることが想像できるでしょう。
本ページでは、そうしたブロックアウト独特のスコアアタックの指針、そしてスコアを狙う上での重圧に打ち勝つための方法を記録として留めたいと考えております。