BLOXEED: 各種テクニック


もくじ(後日加筆予定)

ブロクシードの流れを把握する

 「ブロクシード」の基本的な紹介を終えたところで、実際にどうやったらスコアが出るのか? ということを考えるには、まずゲームの流れが分かっていなくてはなりません。次の表で、それぞれのレベルで何が起こるかを見ていきます。(難易度はNormalであることを前提とします)

表1: レベルごとの特筆すべき事象
Level 説明
0 最低速で強制レベルアップタイマーが1分近い。地形をすぐに高くしパワーブロックの抽籤回数を上げること。この間にフリッキーを2回起動できれば最高。
1-8 レベルアップタイマーが短い(Level 0の2/3)。パワーブロックは十分待てるが、発動は1回が限度。原則、効率重視(フリッキーを引くか、1レベルにつき6ライン消化する)で進む。
9 初の1Gに突入。ただし、Level 9-10はレベルアップタイマーがLevel 0と同じ長さに戻るので、意外とアイテムは待ちやすい。Level 10のことも考えて仕込む。
10 落下速度が一旦減速する。また、ここからせり上がりの速度が上昇し出す。Level 10は、フリッキー稼ぎができる最後のレベルなのでパワーブロックを吟味すること。
11-14 この区間はタイマーの時間が半分(29s)に激減するのでもたつくとレベルが上がってしまう。この区間だけはパワーブロックを諦めてでも、ライン効率か整地を優先する。
15 ここからレベル50まで落下速度1G。せり上がりゲージが約1秒で1目盛り上昇。さらにパワーブロックのキャラクターも落下が最高速になる。すなわちここからが予選である。
16-18 せり上がりの所要時間が更に少しずつ短くなる。ただし、1Gの速度下でもしっかり積めるなら効率重視しながら問題なく進められるはず。
19-30 この区間はせり上がり速度がしばらく一定。この区間内(レベル20台)にせり上がりのパターンが1周しやすい。残り8列は中央穴で最後のずれたTも難関。掘り方に慣れること。
31-39 もう1段階せり上がり速度が上昇。ここから地形が高い場合はFよりSの方が価値が逆転する。せり上がり1周後はまた素直なパターンに戻るので、多段消去を決められるようにしたい。
40-49 レベル40でせり上がり最高速になるので、地形を全力で低くし、それを保つこと。2Gでは最後の8列の対処がかなり厳しいので、この区間内にせり上がり2周目が終わるのが望ましい
50-99 落下速度2Gに。全ての速度が最高となり、これ以降は何も変化は無くなる。当然だが、序盤の効率論は無視し全ての場面で整地・生存を優先すること。健闘を祈る。

 上記のような流れを踏まえると、必要なことがブレークダウンされていきます。それらを一つ一つ説明していきたいと考えています。

最大効率(と4ラインズ)

 ブロクシードは、レベルアップの条件が2つあり、「強制レベルアップタイマーの時間が経過し、ライン消去が無い状態でブロックを固定した」「1レベル中に、既定のライン数以上を消した(国内版ブロクシードの工場出荷設定は3)」がその条件です。
 前者の条件を満たすと1レベルで稼げるライン数が当然減るので、後者の条件でかつ最大のライン数を目指していくとなると、既定の手前の2ラインで止めてから最大ラインのテトリス消しを実行することで6ライン/レベルの効率を実現できます。フリッキーが引けない場合であっても、この効率をキープできれば一応Level 50までで300ラインの効率にはなります。
 1レベルあたり6ラインの効率を守るには、以下のどれかを満たせばよいです。

 ちなみに、4ラインズで消されたラインはレベル上昇条件に関わってくるため、もしこれを「3列または4列→4ラインズの効果で4列(7段以上地形がある場合)」という発動をしてしまうと、1つの4ラインズで2レベル上昇してしまいます(更に4ラインズ消去後の地形が5~6段の場合、3ラインでぎりぎりレベルが上昇するので最悪。ただし、4段以下ならばダブル以下にしかならないので許される)。これがスコアアタックで最速レベル上げをするのであれば利用するのも手ですが、ライン部門では断じて避けなくてはなりません。しかも4ラインズは他のパワーブロックと比べて優先度が高いので、複数の列にパワーブロックが埋まっている時に誤って発動する可能性やフリッキーを同じラインで発動させてしまいその効果を打ち消す可能性が高く、危険なアイテムでもあるので、注意が必要です。対策として、「要らないブロックが同じ列もしくは近い列になるようにして、最下段テトリスでも消えず、かつすぐに掘り起こせない中腹部に埋め込んでしまう」「レベルの進行に影響が無いパワーブロックを発動し、他のパワーブロックを無効化する(例えばボムを穴と無関係の場所で爆破したり、ショットの空発動(全く撃たなくてもよいし、少し上段の整理をするに止めるのもよい)」といった手段で不要な4ラインズの発動を阻止することが挙げられるでしょう。
 序盤で極限までブロックを積んだ時にも、焦らず、今消したブロックは何列目?、ということを頭の片隅に記憶しておき、必要なライン数を揃えるか、ぴったり合うように4ラインズを発動しましょう(図1-2)。更に、地形の低い状態で4ラインズを引いたので処理しないといけなくなった場合(レベルアップタイマーに余裕が無いとか、せり上がりの切り替わりや速度変化が近いとか)、7段以上の高さになるように一部の地形を高く積んで発動してしまう、「アンテナ設置」テクニック(図3)なども利用できます。

図1: 典型的なダブル+4ライン (fumen)
図2: パワーブロックの調整例 (fumen)
図3: 「アンテナ設置」技 (fumen)

せり上がり誘発の遅延行為

 「テトリス」シリーズに於ける遅延行為として、落下ごとに接地ディレイリセットを悪用してブロックを長く滞在させる方法(フリッキーの項のコラムでも触れています)があります。通常、この方法はラインを稼ぐ前にレベルを上げてしまうため、ライン部門では使えないテクニックだと思われるかもしれませんが、実は(特に現在のレベルが低い場合に)レベルが上がる前にせり上がりをわざと誘発させるために使えます。せり上がりを誘発させたい場面は、以下のような例があります。それぞれのケースについて説明していきましょう。

 せり上がりの列を忘れるパターンは、そもそも穴の開き方が一定となるI(左右2回), J, L, Oの5パターンで起こりえますが、特に最初の12列(右I, J, L)は、いかに遅くとも序盤のLevel 15以内には全て消化されるパターンです。そしてこうした序盤戦は、ライン効率やパワーブロックのことに気を配りながらプレイしているので、直前でどうせり上がったかは覚えられても、最下段が消えていたりすればそれが何段目かを忘れがちです。その時にせり上がりの穴の位置が振り替わったことで、掘りがまごついて少し効率が悪くなったり、パワーブロックを不本意な形で消化したりというのを避けたいと感じることはあるでしょう。覚えていればそれに越したことはありませんが、意図的に遅延行為をしてせり上がりの列を呼び出すことによって次のプランを立てられるというのは重要です。その場合も、レベルアップタイマーには気を付けましょう。(図4)

 次に、テトリス待ちなど多段消しが期待できる場合にもう1段せり上がりを呼ぶパターンですが、これは、例えばせり上がりで出たJの穴が3段分出ているので、次も確実に左端の穴が来ることが分かっている、などといった特定のパターンで有効になります。また、この待ち方は現在のレベルが高いほど有利で、その場合はせり上がりがすぐにやって来ますので、1Gや2Gでは少し難しいですが、段差のある地形を意図的に作っておいて、そこで落下までの時間を少し稼ぐだけですぐにせり上がりが供給されます。(図5) せり上がりの途中でラインを精算する場合は、最下段を消すことによってせり上がりパターンの列が消えて一見判断が付かなくなるので、残り何列で次のパターンに移行するかを忘れないようにしましょう。

 最後に、パワーブロックの温存ですが、これは特に最終盤の8列のせり上がり(中央のO, O, T, 左寄りのT)を迎える時に便利な手法です。中央の穴で地形が否応なしに分断される上、更に最後のTは掘り起こすのに厄介なので、この過程をショットや16tで飛ばしてしまうというのも立派な戦術です。図6のような光景を思い浮かべてみると、分かりやすいと思います。

図4: せり上がり忘れ対策 (fumen)
図5: 待って多段消去を狙う形 (fumen)
図6: せり上がりを引き付けて発動 (fumen)
S
S
S

高い地形に恐れず向き合う

 「ブロクシード」は、せり上がりや最大2Gの落下速度など、どうしてもプレイ中の地形が高くなりやすいゲームですが、地形が高くなることを怖がっていてはこのゲームには挑めません。序盤に至っては、地形が高くなりやすいことを逆に活用することもハイスコア狙いには必要です。そのために、稼ぎの基礎、そして危険な状況をどうやっていなすかは、このゲームのプレイヤーにとって大切な心構えとなります。

稼ぎのための積み方を工夫しよう

 パワーブロックは、「ブロクシード」においてせり上がりと並んで最も重要な要素の一つでもあり、現時点では狙ったパワーブロックを引く方法がなく、またどのような出現周期になっているかについて解析が完全になされていません。このゲームの攻略はパワーブロックの出現を司る乱数に左右されており、これがただでさえ難易度の高い「ブロクシード」の攻略を俗に言う「運ゲー」にしてしまっている要因であり、愚直に試行回数を増やすことで良いパターンを引き当てそこで最善の操作を実行するという方法でしか記録を伸ばせていない理由となっています。
 既に知られている僅かな情報を頼りに、パワーブロックをより多く利用出来るようにするのが本項の狙いです。
 まず、紹介ページのパワーブロックの項にてパワーブロックに関する情報がまとめられていますが、その中でも出現までの時間は一番把握しておきたい事項です。レベル0においてはパワーブロックは1,200F(20.00s)おきに出現しますが、中央6段のうちの最大地形高に応じて、その時間が短縮されることが知られています。図1をご覧下さい。この図の緑で示した区画内にブロックが配置されているならば300F(5.00s)、黄色の区画内にあれば600F(10.00s)、そして赤の区画内にあれば900F(15.00s)、パワーブロックの出現の待ち時間が短縮されます(複数の区間が埋まっている場合は、最も長い短縮が適用されます)。特に、赤い区画内にブロックが積まれたときは、BGMが「アブナすぎる」(メインBGM2)に切り替わるので、この曲が流れるとパワーブロックが出やすいことがよく分かると思います。ただし、赤色の区間に含まれるグレーの部分は、ネクストの出現位置となるため、ここにブロックが配置されていると窒息する可能性があります(特に高さ20の5列目はどのブロックに対しても致死点)ので、実質置いておける場所は17マスに絞られます。
 筆者の観察によれば、レベルの上昇に応じてパワーブロックの出現間隔は長くなっていますが、地形高が高くなることによって最大15秒の短縮が行われることは変わりがないようです(そのため基礎となる時間が延長され、その後に地形高によるボーナスの時間が短縮されます)。また、筆者のプレイでも、レベル9までは必要な時間が延長されることはなく(最小で5秒間隔)、レベル99の場合における例はごくごく一部しか録画されていませんが、パワーブロックの発動中の時間を除いた待ち時間が、地形高による短縮なしの場合7,500F(125s = 2分5秒)であると推測されています。この推測が正しいかは今後の解析の発展を待つのみですが、最終盤においてパワーブロックを引くのに100手近いブロックの落下が必要になるのも納得がいくものでしょう。
 これをプレイヤーが意識して、地形高を上げてパワーブロックをより多く出現させることはひとつのテクニックとなってきます。序盤においてはフリッキーが出現することを祈り、一方で間違って優先度の高い4ラインズを同じ列に置いたりその他の別のパワーブロックを起動させたりしないように慎重な配置をする必要があります。フリッキーは発動さえしてしまえば、レベルが低いうちであれば多少穴のある地形でも連射を駆使することで地形を均して最下段まで掘り起こすことが可能なので、起動したくないパワーブロックの段に穴を空けてでも優先して取りに行く姿勢が大切です。
 一方レベル50以降(2G突入・せり上がり最高速)においては、逆にゆっくりと時間を稼ぐようにプレイすることが大切です。狙った位置への移動と回転が確認出来た後も、レバーを下を入れて固定時間を速めることにメリットがないため、全く下を入れずにプレイするか、或いは次のブロックの落下のタイミングを取るために固定とほぼ同じタイミングで下を入れてリズムを取り次のブロックの操作に備えることが大切です(筆者はぎりぎりまで待ち下を入れるタイプです)。それによってほんの少しでも少ない手数でパワーブロックが来るように調整をして、なるべく地形を低く保つのがセオリーとなります。ただし、現状の地形やせり上がりと噛み合わないブロックを連発されることによって地形高が上がってしまうことは容易に起こりえるため、その際に高所で上手く対処する方法を学んでおく必要があります。

図1: 地形とパワーブロックの出現時間 (fumen)

 まず、特にLevel 9までの、パワーブロックの周期が短い間での序盤の積み方です。地形の最上部が赤いゾーンに届く17段目になるように、そして平らになるように埋めて、両側に長い縦穴が残るのが理想的ですが、パワーブロックの出現回数を最大にしたいだけであれば真ん中の6列のどこか1つが17段目に接するように最速で積むのがよいでしょう。典型的な積み方としては図2のような形状になりますが、一方で「良くない積み方」というのもあるので、そちらはなるべく押さえておきましょう。

 一例が図3のIだけによる底上げを行ったパターンです。流れでIが連続で引けた時についやりがちな積み方ですが、図3では最も高い列の高さが16になっていて、アイテム周期を更に速めるためにはせり上がりを1段待つか、高さが2以下になるようにブロックをIの先端に置くかの2択となりますが、前者はアイテム周期5秒を棒に振る(Level 9まではせり上がりに594F(9.90s)を要する)ため、タイマーの経過によってはただのタイムロスになってしまいます。また、何らかのブロックをIの先端に配置したとしても、縦に長い空間のひさしができてしまうことで、フリッキーを発動させたときに一度の消せるライン数が減ってしまいます(ひさしや穴でふさがっている列が多いと、最悪の場合、最初の掘り起こしすらできない場合があります)。急いで高く積むことは重要ですが、闇雲に高さだけを目的に積んでいても、残りの列をきれいに揃えられない状況では、ライン数の増加に貢献するフリッキーを十分に生かせません。
 揃っていないラインのロスを減らすために、特に低レベルの状態ではスライド入れや回転入れなどのパターンを考えて動くことが重要です。簡単な例としてはSを図4の地形で引いたときに次の手を見てどこにスライド入れを作るかという考え方です。ただし、図4図示した以外のブロックを引いたときについては、そのブロックが一番適した部分を修繕するために使い、どれかの引っかけ待ちに取ることになるでしょう。その場合も、たとえばJを引いた場合は深さ2の穴が解消されるので、Iを垂直スライド(Vertical I-Tuck Setupの頭文字を取りVITSと呼ぶことがある)待ちにする手を取りやすいなど、プレイヤーのセンスが生かされる場面です。このときに重要になるのは、ひさしを作ったときに何を入れることができるか(或いは何も入れられないか)です。特に右側に穴を作る上ではL, J, S, O, Iが候補になってきますが、TやZも幅の広いひさしを作ったときに補修に使えることがあります。

図2: 典型的「アグレッシブな積み」 (fumen)
図3: 棒に依存した底上げ (fumen)
図4: 引っかけのパターンの基本的な例 (fumen)

 さて、この高さを上げてアイテムの出現率を上げるというテクニックにはメリットとデメリットがあります。ライン数アタックに挑戦する上では、これらのことを念頭に置く必要があります。

 上述のデメリットとして、問題となるのは下の2つでしょう。中央を高く積むセオリーは「テトリス」シリーズが源流となるセガ則(https://tetris.wiki/Sega_Rotation)を採用したテトリスで特に有効とされていますが、ブロックが落ちてくる4~7列目がでこぼこになっていると落下速度が速いときに詰みやすくなります(後述)。回転方向も自由に調整するためには、できるだけ4~6列目の高さを揃えておくのが大切です。
 また、せり上がりについては、地形を高く積む以上遅れてしまうことは仕方がありません。2周目のせり上がりを早く呼び込むための方法として、Level 15以降から下入れを減らしたり、地形にブロックを接触させる回数を増やすことでゆっくり積み始めるのが良いと考えられます。Level 10までは基本的にパワーブロックを数多く引きたいのでそこではせり上がりを急ぐことはできませんし、Level 11-14は、レベルアップタイマーが半分の29秒になるので急いでラインを取りに行かなければならないことを考えると、牛歩戦術が可能なのはLevel 15以降(これ以降はレベルアップタイマーが58秒に戻る)となりますので、そこでせり上がりを自分のやりやすいように上手くコントロールしましょう。

高所での生存テクニックを学ぼう

 地形が高いことは、決して速度が低いレベルであっても安心はできません。往年のセガの「テトリス」時代から通じる操作と制約に慣れ親しんでいるプレイヤーの中には、地形が高くなったときの対策をよく知っているプレイヤーもいますが、ことせり上がりと最高速2Gが採用されている「ブロクシード」においては、生存のため高所で粘るテクニックがより重要になります。

 まず覚えておくべきは、ここにブロックが置かれてしまうと致死となる点です。直接の死因となる箇所は先ほどの図1の灰色部分に示した7マスですが、それ以外にも絶対に置けない場所は存在します。たとえば、以下の図5に紹介する18段目の3列目と8列目です。ダブルやトリプルを狙える目を封じてしまうこの箇所は、「テトリス」の時代からのルールでもある「操作中のブロックが天井に接触している限り回転ができない」という制約によって詰みを誘発してしまうのです。当然、同じ段の1~2列目と9~10列目が同様にふさがっていれば、TやOなどのブロックも入らなくなり、その段を消すことができなければゲームオーバー確定です。
 逆にこれらの致命的な箇所さえふさがっていなければ、復活の可能性はあります。ネクストをよく見ながら生きる可能性のある手を探して最後までもがけば、報われることもあるかもしれません。

 次にIに関わる致死ポイントを見ていきましょう。図6にある通り、17段目の3列目または9列目が妨害されていると、最上段でIを縦に回転することができません。セガ則のIは、回転ボタンで立てたい場合に左側に「幅3×高さ2マス」、右側に「幅2×高さ2マス」の空きがそれぞれ必要になることが経験上知られています。しかし、最上段では回せない条件のため、Iが19段目に伏せられた状態では、先述の17段目に妨害するブロックが来てはいけないことになります。このルールにより、「テトリス」や同じような回転法則を用いたゲームでは右側にI待ちを作った方が有利と言われていますが、実際のところ「ブロクシード」ではそのような戦略はせり上がりのために許されません。左側に開く穴も対処出来なければいけないため、特にLevel 50以降では、ボタン1回でトリプルの狙える形になるJを利用する価値が高まるだけでなく、左側にIを入れるための3×2マスを作らなければならない場面にしきりに遭遇します。一方右側の縦穴に対しては、Iのセットアップはしやすくなる一方、Lはトリプルを狙うためにボタン3回必要なので、ABAと素早く入力しないと最悪その手が敗着になる可能性があります。このゲームのブロックの積み方から中央が高くなりやすい性質があるので、O, T型の6列を除く左右へのせり上がりに対応するため、ブロックを振り分けられるようにすることはとても大切です。

図5: 最上段の回転不能法則による致死パターン例 (fumen)
図6: Iの致死および致死回避 (fumen)

 レベルが上がったときの対策も重要です。例えばパワーブロックを狙って地形を高く積んでいたときに引っかかるパターンや、Level 40以降の猛烈なせり上がりに耐え切れず地形が上がってしまったときに、思わぬ詰みの可能性が生じます。特に重要なのは、積み上がってきたときに4~6列目の地形を同じ高さに揃えながら、そこが一番高い箇所になるような積み方を心がけることです。そうしないと、特定のブロックを渡したい方向に移動できなくなるという詰み一歩手前の状態が発生します。それが、図7にあるパターンです。Level 9もしくは15以降で発生しやすい操作不能パターンがこれらに該当します。Next表示のブロックの下にくぼんでいるところが18段目のブロックに阻まれるような形では、その方向に移動することすらできなくなり、またLevel 50以降の2Gの場合は更にもう1段猶予が少なくなり、17段目の出っ張りに突っかかり操作できなくなります。
 図7のような形になった場合は、残念ながら本来動かしたい方向とは逆に移動させて避けてしまい、次のブロックに賭けるしかありません(決して最後まで諦めてはいけません)。平たい地形を作って転がすのは「テトリス」シリーズ特有の操作感ですが、これを理解していると、ゲームオーバー直前に耐えられるライン数が増えるとともに、どうしても避けようのない窮地に至っても、Nextブロックの来かた次第、あるいはアイテムの引き次第では一発逆転を狙うことまで可能となるのです。これがある意味、理不尽の極みである「ブロクシード」の面白さかもしれません。

図7: 落下速度1Gに於けるスタック(はまり形) (fumen)

 また、回転法則の性質によって手詰まりにされてしまうパターンも存在します。その一例としては、Tの3回転が必要となる場面で、回せる場合と回せない場合が存在するケースです。以下の状況で、十分に自由落下速度が速い状態を想定すると、図8は回転して2ラインを消すことができるのに、図9ではできないというパターンに分かれます。いわゆるセガ則を考えると、まずいずれの図も初期位置は「天井に接しているため回転不可」のために左右どちらかにTを動かすしかありません。図8の場合は右に動かしたときに一番右まで移動さえしなければ地形の平たい部分で3回転を行うことができるのですが、図9の左上からの階段状になっている地形では、地形の平たい部分が存在せず、2回転目の3マスが底面に来る形を作ることができないため、下手に回転ボタンを押してしまうとその形でつっかえてしまい、形勢が詰みに傾いてしまいます。図9の場合の正解となる手は、左に動かして平置き(Iで削り聴牌に取れる。Lは右には動かせない、Jは右端に回転1回で形がきれいになる。同様にS/ZもTで塞いだ17段目を消せれば復帰がきれい。Tが2連続の場合は17段目の7-9列目を埋めてJを引くことを祈る。Oは左端に隙間無く置ける)となります。地形が極端に高い時こそ、ネクストも近くで見やすくなりますので、落ち着いて表面にきれいに揃えられそうな列がないかを探しましょう。

 最後に気を付けなければならないのはLです。Jはトリプルを狙う形がボタン1回で回転出来る上に、3回転の形は底面が3マスの形から変形できるので扱いやすいのに対して、Lはボタン3回による270度回転が必要なので、平たく寝かせる形が先に来て、そこに適切な箇所に穴が開いていないと最後の3回転目の回転が出来ないので注意しましょう。図10のような、L型のせり上がりのみが出ている形は実は一番理想的で、最高速の2Gであっても安全にトリプルを取ることができます。そのため、「平たい地形で転がすようにブロックを回転させる」というセガの「テトリス」の原則が最も生きるパターンとなる訳です(同様に、T, Jの4形態の回転がある形は、平たい場所さえあればボタン3回の回転が可能なので、特に中央の列に平たい場所を確保するのがいかに重要かが分かります)。さて、一方の図11のような形ですと、1Gであればまだしも、2GでこのLを右端に突き刺すのは非常にリスクの高い行為です。ボタン3回が入力される前に地面に接着してしまうと、このLはもう二度と下向きの形には回せません。そのため、良くない形で地形につっかえてしまうのです。それであれば寧ろ、7コマ目のように5-6列目に立てる形で安定して渡しやすい場所を作るのも良いでしょう(それに、右側が崖の形状になっている場合、回転が成功してダブルを取れたとしても結局もう1ラインを削らなければならないので無理にそこから埋める理由に乏しいです)。

 このように「中央を平たい台地のように高く盛り上げて平たくする」方針は理に適っていますが、残念なことに万能ではありません。中央を高く積むということは、地形が高くなるのを受け入れるリスクがありますし、時間をかけて詰めばせり上がりが高くなり処理が大変です。また、せり上がり自体を消していかなければいずれにせよ待つのは窒息であり、掘り進めるためにはどのポジションを死守すべきかが重要になります。特に2Gを迎えた状態で最後の8列に中央に穴が開くパターンは、無理に左右に分かれた塊をきれいにするために回転ボタンを多く扱うことになる結果、ボタン操作ミスによって高速時に地形ががたがたになって殺されやすい原因となります。そのため、上述の知識だけが全てではありませんが、本項の基礎を覚えることで、更にスキルを向上するきっかけとなれば幸いです。

図8: Tの3回転が可能な場合 (fumen)
図9: Tの3回転が不可能な場合 (fumen)
図10: Lのトリプルを狙う安全な運搬 (fumen)
図11: 2G下での危険な運搬 (fumen)

60連下でのフリッキーの挙動を知る

 シンクロ交互による表裏30連を利用した場合、特定の列をブロックで埋めるのに最大でも(20段を埋めるものとして)1/3秒しかかからないことになります。しかし、そもそも30連以上の連射速度でまともに動くことを想定していないような挙動が発生するのに加え、フリッキーはブロックを生成することによるライン消去判定なども実施しなければならないためか、ショット60連でも起こらない現象もあります。以下がフリッキーの特徴となります:

よく分かるFlicky:上手いセットアップにより19段を一気に組むことが出来たおかげで、一度の消去処理で、8列ずつ消えているのが分かりやすい図が撮れた。 #Bloxeed pic.twitter.com/x7v1qv3IjM

— SQR Y3 (@skysqraper) November 9, 2021

今日も調子が終わっているので、動画を撮る。まずは、Flickyで作られたラインの消去判定は、ブロックの落下が必要という話。 #Bloxeed pic.twitter.com/eoJ7ju1tyJ

— SQR Y3 (@skysqraper) February 10, 2022

さて、思い出したかのようにブロクシードのフリッキーで出したブロックにつんのめって効果が切れると、どういう不幸が発生するかよく分かる動画を置いておく。ほら、クソゲーでしょう? #Bloxeed pic.twitter.com/0VdTTFV95u

— SQR Y3 (@skysqraper) November 4, 2022

反復横跳び

 フリッキーでライン数を稼ぐ典型的な方法は、以下の4つのステップからなる「反復横跳び」という技になります。特に最もフリッキーの落下スピードが遅いLevel 0では、55列前後のラインを稼ぐことが可能になっています。また、一旦落下速度が遅くなるLevel 10の場合も、やはりフリッキーの速度が少しだけ遅くなっていて、なおかつレベルアップタイマーはLevel 0の時と同じ最長の59sとなりますので、そこでも2回Fを引く可能性に賭けてみる、ということができます。

  1. まず右端または左端の、穴が無く地形が積み上がっている方へフリッキーを移動させる(連射をしながらの場合、1~5列目または5~10列目の全てに1個ずつブロックが降り、そして左端または右端がブロックで埋まる)
  2. 左端から始める場合、フリッキーが射出したブロックに当たるまで連射でブロックを埋め、設置音が聞こえたと同時にレバーを右に1回だけ倒し次の列に行く
  3. 最後の右端に到達すると複数ラインを一挙に消せるので、消去できる列の所まで目押しで量を調整しながら発射、そして消去モーションをしっかり確認し、現在の列にブロックを積んでも消えなくなったことが確認できたと同時に連射でブロックを埋め、今度は左にレバーを1回だけ倒して折り返す
  4. 方向を逆にして、ステップ2., 3.を繰り返す

 反復横跳びの典型的な図が、図1となります。この反復横跳びの実行において注意しなければならないのは消去ディレイの存在です。何らかの形で消去のアニメーションが入ると、それが終了するまではブロックの消去は発生しなくなります。また、同時に8列以上のブロックが消えた場合に、残りの列のブロックが消えず、次のブロックが設置されるまで消去が持ち越されるというバグめいた現象もあり、思わぬところでフリッキーが連射で生やしたブロックに引っかかり効果が終わってしまう、という不慮の事故は何としても避けなくてはいけません。
 そのため、折り返しの端にさしかかった時に全力でブロックを積まずに目分量で加減する方法があります(図2)。こうすることによって何が良いかといいますと、最も端にブロックが1つもない状態で、かつ消去できる高さが8以下であれば、そこでライン消去が即開始され、ラインを消しつつ連射を切らすことなく積み上げることが可能だからです(高さが9以上の場合は、消去ディレイを避けつつ具合の良い高さにするために連射数を控え目に調整する必要があります)。この両端の積みを抑えた場合の反復横跳びは、少々ライン数を犠牲にするところはありますが、安定はしやすくなります。特にLevel 6やLevel 12以降といったスピードが程々に速い場合には2回折り返しした場合に、1回目の折り返しで躓いてしまうリスクを防止できます。

 また、特にレベルが低い場合におけるフリッキーの終盤では、最後に連射をしながら同じ方向へレバー移動を繰り返し(所謂「コンコン」と呼ばれる操作)、2~3列全消しの形が仕込めるようになるのが理想的です。Level 0であれば落下に必要な時間が長いためにこれが底で2~3往復でき、僅かですがライン数を伸ばすことができます。これは俗に「見苦しい反復横跳び」と呼ばれるテクニックです。(図3、および筆者Twitter引用の動画を参照)

図1: 反復横跳び (fumen)
図2: 両端の積み込みを抑えた場合 (fumen)
図3: 見苦しい反復横跳び (fumen)

1面番長ならぬレベル0番長を紹介。連射を切る目押しタイミングが非常に難しいのです。最後の1~2列でシンクロ連を駆使して粘ってラインを消すことを俗に「見苦しい反復横跳び」と呼んでいます。 #Bloxeed pic.twitter.com/X3v8qTWurN

— SQR Y3 (@skysqraper) April 29, 2020

コラム:反復横跳びは無限にできる?

 もしこれが無限に往復できてしまうと、永久パターンとなり集計打ち切りの大問題になるので何度か試しましたが、不可能と結論づけられました。
 かつて「テトリス」ではレベルアップを効率よく行うために、接着時間になるぎりぎりまでブロックを地面に付けたら、自由落下の可能な隣の列に僅かな時間だけ移動し、長時間同じ場所にブロックを固定させないように保つテクニックがありました(このテクニックは、 https://www.nicovideo.jp/watch/sm10007315 の動画で紹介されています)。そこで上記と似たような理論を使い「見苦しい反復横跳び」のケースで、仮にライン消去でフリッキーが浮いている状態になったことで、落下時間と設置時間の両方に対してリセットが発生するならば、なにも1Fごとの操作をしなくとも、30F(0.5s)が経過する前にブロック設置→横移動を繰り返しライン消去するという往復を繰り返せば永久パターンになりそうな所ではありますが、筆者が大体0.5sより短い周期で操作を実施したにもかかわらず、途中で1マス落下が発生してしまいます。

 これがもし「テトリス」と同様に、落下までのタイマーだけがリセットされるならば、接着中の経過時間が保持されることになり先に接着ディレイの残り時間が尽きてフリッキーが固定されなければいけませんが、実際には同じマスにとどまったまま接着ディレイが経過しない限り、接地状態のフレーム数が合計30Fを超えてブロックの上に滞在することができますので、この仮説は否定されます。
 実際にコマ送りで挙動を調べたところ、この反復横跳びの動きをしている時に、レバー操作時も常時60連射を行っているにも拘わらず、フリッキーが次の列に移動して「浮いて見えている」状態が1マスごとに3F存在していました(そもそもこの間隔が1Fではない時点で、タイマーリセットが発生しなければ永久パターンは防止されます)。この特徴を踏まえた上で、一例としてLevel 0で一体何個までブロックを置けるかを試したところ、25個という結果になりました。これを他のレベルでも試したところ、紹介ページの表6に示した、1マスの落下に必要なフレーム数の半分までブロックを配置するとフリッキーが2段目から1段目に降下することが分かりました。このことから導き出される仮説として、1マスの落下に必要な時間のタイマーがリセットされず、接地時間はリセットされると考えられ、またフリッキーの発射開始には何らかの理由でブロック配置の開始には2Fを要するので(1マスの移動で確実にその分タイマーを消費する)という性質から、ブロックを置きながら移動できるマスの数が有限となるわけです(また見た目上浮いている3Fでは、タイマーの半分で止まる説明が付かないため、実際に浮いている判定は2Fだけだと考えられます)。


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本ページの最終更新日: 2024/01/08