BLOCKOUT: ポリキューブ概要: 5C


回転法則図

5Cの最短回転経路
A0 neutral
L0 B A1 C
L1 BC U1 CB A2 CC
U0 BCB, CBC L2 BCC, CBB A3 CBB, CCC
L3 BCBB, BCCC,
CBCB, CCBC
D1 CBBB, CCCB
D0 BCBBB, BCCCB, CBBBC,
CBCBB, CCBCB, CCCBC

お誂え向けの十字対策にも、不思議な性質と厄介なポイントがあり

 数あるペンタキューブの中でも、コの字型のインパクトがなかなかに印象深い5Cは、見かけによらず使い所の多いポリキューブですが、長所と短所は実にはっきりしています。3×3で中央の窪んだ地形に対して手出しが出来ないという性質は5Lと共通しているのですが、5Cの場合は、穴が離れた2箇所になければ1マスの窪みを埋めることが出来ません。そのため、最後の1フェイスを決めたい時には絶対に引きたくないポリキューブとなることが多いでしょう。しかし、5Lにはない2マスに対するフォローが出来るという点は、不器用さを補っていますし、1×2×3のスペースに収まる為にスライド入れにもすぐに使えるのが良いところです。
 回転法則は5Tなどと同じく縦長の回転法則となり、飛び石の2使いは手数もかかり使える盤面は余り多くはありませんが、十字や4LのU面に対する嵌合で更地を作ったり、5面台の広いラウンドでは思わぬ助けとなる事が多いでしょう。5Cの初出はRound 17と非常に遅く、後半のラウンドをコンスタントに抜けるにはどうしても慣れておかなければなりません。特に重要なのはRound 23, 33の2つのラウンドで、この比較的狭いピットでも出現率が8%程度という非常に高い確率なのは覚えておかねばならないでしょう([src:SAL B7])。また、3×3では出現がRound 24からスタートするので、狭い空間での扱いに慣れる時間は多くありません。試行回数を重ねて最適な動きをマスターし、沢山の凶悪ポリキューブが飛び交うラウンドでも押されないようにしていきましょう。

平置きは4T残しの有力な形だが、1マスの窪みを敢えて作るのもまた有効

 5Tのページでも紹介した通り、5Cと5Pは、ペンタキューブの中でも、5Iに次いで最も体積が小さい直方体である1×2×3の平面にぴったりと収まるポリキューブで、しかもこれらは5Iと違って6面台を除く全てのラウンドで出現し得ます。そのため、ペンタキューブ12種類のうち、最軽量と呼べるのがこの2つのポリキューブです(Fig. 1で再掲)。そして、中央の座標が3×3の環境でもしっかり空き、厄介な5Xや5Kの対策として初手に来れば大きな安堵をもたらしてくれます。残り方は4Tの断面となりますが、これは3Lを含んだ形でもあるので、立体テトラキューブや5Q等の収容でも収まりが綺麗になってくれる為、窪地が十分に広いところでの平置きは非常に有難みがあります(Fig. 2)。また、4Tの亜種には5Hや5Kといった面々がおり、それらへの対策としても有効になります。ただし、平置きのスペースをそのまま確保するには、ちょっとした余裕が無いといけません。5Kと5Hの4使いは、真ん中の座標が高くなりますし、特に5Hの中央置きは、中心のマスを高くしてしまい、不都合なネクストが増えてしまいます(Fig. 3)*1。終盤の高レベルでは別の待ちに振り替えることも必要になるでしょう。
 5Cの形状はいささか特殊なので、平置きを行うと細かい穴が開きやすいポリキューブでもあります。ここで、必ず穴が2つに増えてしまう平置きのパターンを考察しましょう。Fig. 4では初手に5Pを置き、最下段の窪みはあと7マスです。4コマ目と5コマ目を見比べた時、どちらの手が「良さそう」でしょうか? 3×4のフィールドではそれほど差があるようには見えませんが、特に3×3のケースを考えてみれば、4コマ目の方が悪い手であることが分かります。隣接していないが近い箇所に隙間がある所謂市松模様のケースは、3×3あるいは6面台の2×5で非常に埋めるのが厄介になります。妥協して片方の穴を埋めることになります。広いピットでも例えば5Lや4Oなどフィット範囲の狭いポリキューブはゴミ置き場を用意して積み上げておかねばならず、より狭い場所で同時に埋められない2つの穴の処理に苦しむことになります。そのためもあり、市松模様はブロックアウトの中でも禁じ手の1つとして考えられています。これが5コマ目のように1マス距離が離れておりますと、1マスずつの穴に対する周辺の地形が広いだけでなく、1つ目の穴を埋めた時に2つ目の穴の待ちが狭くならずに済みます。ブロックアウトの敗因は、待ちを自ら狭くする自滅が少なくありません。しかし、それは習熟によって少しずつ減らすことが可能です。一見して難しいRound 20や24で突破率が80%を超えるくらいの実力は、このような地道な努力と学習から成り立っていると言えます。

 A面のC回転は、回転入れに適していません。回転軸は3I部分の中央部に存在する為、大きく稼働するのは2つの歯の部分になります。ということで、スライド入れでは2Iの領域が必要だったのに、回転で捩じ込むと中央が開いてしまうという本末転倒な形となりますので、修復には使えないのです。
 Cボタンで狙うべき階段落としはコツを掴むのがちょっと難しく、回転後の位置関係・壁蹴りを計算に入れる必要があります。Fig. 5aは、地面に着地した感じは良さそうなのですが、回してみるとなんと左上に歯が引っかかってしまっています。Fig. 5bのように、Y軸は回転軸のある3I部分に合わせないと、2つの歯の間の隙間から落ちてくれません(更に、右移動は回転ボタンを押した直後にすぐ溜めておかないと、9コマ目のような正しい置き方になる前に5Cが固定されてしまう虞があります)。しかし、壁によってY軸方向の奥行きが3になる場合は話が変わります。Fig. 5cのケースの5Cは、回転軸をいちいち合わせなくとも、CSで作った出っ張りが[(1,2)]に存在すれば、壁蹴りの発生によって5Cが枠内に収まるように補正されます(回転軸を正しく合わせた場合は壁蹴りが起こらずそのままFig. 5bと同じ事が起きます)。この場合は、CSで作った出っ張りがコーナーにあると階段落としが失敗するということが起こりえます。Cボタンによる回転の動きは、フラットなペンタキューブですと瞬時に計算が出来なくては置きミスを誘発するだけになってしまいます。流石にここまで来ると上級者しか扱えないブロックにもなってくるので、回しの速度なら任せておけ!、という域にまで達したらチャレンジしてみるのが良いでしょう。

Fig. 1
Fig. 2
Fig. 3
Fig. 4
Fig. 5a
Fig. 5b
Fig. 5c

横スライド専門に見えるL面も、実は2使いで積極運用する価値がある

 5CのL面は、2段目の高さに必ず塞がった穴が作られる形のため、通常のゲームであればスライドで2段目が出っ張った形に埋めるパターンしか使い道が無いだろう、と思われがちですが、ブロックアウトに関してはそんなことはありません。そもそも穴がどうしても出てしまうのが避けられない引きのパターンが存在することを考えれば、本当に重要なのは全てのフェイスの用意が出来ていてダブル以上の消去が狙えるようになるという積み方ではなく、確実で、待ちのバリエーションが多い勝負目の表面を整えることと、その中でじわじわと見える範囲の下段を整えて復活の機会をじっと待つこと(もし復活が出来なければ、なるべく高さを押し上げられないこと)ですから、2段目が空いていても3段目を取り返すぐらいの気持ちで果敢に挑んだ方が成果が上がるのです。Fig. 6のように2使い待ちを直接貰いに行くという一見して向こう見ずな消し方も、他のスライドなどで補填することが出来るという考え方を使えば、意外にもプレイヤーの取れる手が多くなってきますから、全部の段が綺麗に取れる形は敢えて目指す必要が無いのです(深追いをすると、逆に危険になります)。
 L面でフェイスを狙いに行く時は、2段目を捨てるという余り遭遇しないスタイルになることを留意すべきです。例えば、5Xで1段目が潰されてしまったので2段目を狙うというパターンの場合、本来5Xとの取り合わせがいいはずの5Cが逆に毒になります(Fig. 7)。勝負目以下の地形ががたついている場合はスライドや回転入れで対応(6コマ目)することも出来ますし、大分戦況が進んで穴の場所の確証が無い場合は、最上段(この場合は3段目の緑)を最速で畳みかける(7コマ目)パターンがあります。どちらを狙うかは、現在のレベルとピットの高さ、周りの地形がどれだけ余裕を持っているかといった要素に左右されます。序盤であれば前者、終盤であれば後者の置き方の方が一般的には良いでしょう。
 5Cの縦置きは、1-3というスプリットの効きになっているのも忘れてはならないポイントです。4Oが入るような寸胴穴が深い場合のケースのことを考えます。深さが3以上の穴であれば、Fig. 8aの通り5Pを引ければ一番最高のパターンで、得点が500点と最大になりますし、仮に底が真っ平らではなく1個置かれている場合(トリプル聴牌)には得点が上がりますので、5Pが一番の有用性を誇るのは疑い有りません。しかし、この地形での5Cは有用です。Fig. 8bでは、1-3のスプリットが決まりますので得点も400点(4Oであれば300点になっている)であり、十字対策を後に残しておくことも出来ます。Fig. 8cのように4Lを引いた場合は、150点のシングルを狙えるのでこれも良いのですが、2穴が残るというのは展開次第になりますが穴の深さが1よりは少しばかり厳しい展開になります。このシチュエーションで仮に1段目が消えなかったとしても、5Cも4Lと同じ十字待ちのある地形が得られることになるので、「5Cで地表から2段上を狙って消す」というのは、意外な場面で有効になります。勿論、段差の計算や狙った形への回転そのものに技術を要する上、5C自体が20面に辿り着けるレベルのプレイヤーにしか扱えないこともありますから、この技は高等テクニックの範疇に入るでしょう。
 最後に、スライドや回転による補修の仕方です。スライドについてはスライドする前に落とす1マスが必要であることは承知ですので触れませんが、Cボタンによる水平回転での回転入れが、例によって反時計回りにしか回らないことによる成否判断を必要とします。Fig. 9のようなケースが非常に分かりやすいといえるでしょう。6〜7コマ目のように、軸に対して穴の空いた部分を反時計回りに向けることが出来ますので、5Kで作った隙間の奥側はしっかりと回転で填めることが出来ますが、Cボタンとは逆の回転が必要な8〜9コマ目では駄目です。どの方向の回転をする必要があるかは、必ず頭の中で思い浮かべて、時計回りでは入らないということをしっかり覚えておく必要があります。実践的なシチュエーションですと、5Xの傘が片方塞がった状態でもう片方を補修するケース(Fig. 10)があります。5Cは5Xの傘に填め込むスライド入れをする場合、1個でも2個でも差し込める所が非常に便利です。引いた時はすぐにでも使えるように用意しておきたいものです。

Fig. 6
Fig. 7
Fig. 8a
Fig. 8b
Fig. 8c
Fig. 9
Fig. 10

3使い+十字確保のU面は使い勝手抜群も、市松模様を誘発する側面もある

 U面は、所謂1-0-1の5X受けを持った3使いであり、オーソドックスな3マス確保だけでなく高次周での安全圏確保として非常に重宝します。Round 23や33では5Xと共に登場する比率が高いため、組み合わせがしやすく、Round 29ではCS/CZ, 5Qといった辺りを両面で受けられるので、5Cを立てるというのは、一種の安全圏を確保する流れになり、平置きよりも広い余剰置き場を作ることが出来るのがポイントになります。そのため、5Xを対策するために立てるというのであれば、壁に寄せるのが鉄則です。また、真ん中の高くなる4T/5Tなどを隣に並べると、あっという間に市松模様の危険な地になるので、なるべくなら4L/5L等にしないとなりません(Fig. 11)。特に長さ3のペンタキューブが登場しやすいRound 29, 30, 33では選択を誤ると封殺される危険性もあります(尤も、5Cと隣接した時の相性以前に、立体テトラキューブの組と長さ3のペンタキューブの組との出現比率が偏ることで殺される可能性が高いのが、これらのラウンドの特徴です)。
 Fig. 12では、5CのU面の近くに置くことの出来るポリキューブの理想的手順の例をまとめていますが、それ以外のものについては、大概孤立している青の部分を繋げてあげることで待ちの数を減らさずに済むことが多くなります。例えば3Lを立てて[2,1,1]の青の部分に噛ませると、4Tを2つ平積みした形となり、良い形にはなりません。その点で、5Xを対比させる以外の方法では、青の層を生かすことを考えた方が正解に近いのではないでしょうか。
 さて、U面の回転です。Cボタンによる回転のトリックは、壁蹴りを前提とした技があるのですが、欠点が多いため使われません。それがFig. 13の形です。辺の長さが3の場合に真ん中の2段目だけが埋まっている場合に、壁蹴りを使って5Cを回し入れるというテクニックですが、作為的で無ければ回転できる地形が作れない上に、回転前後で[3,1]が紫→地面となって最大2穴が出来てしまう可能性があるため、殆ど見せ芸としか呼べないものです。一方、Bボタンの回転にも、興味深いFig. 14のケースがあり、見た感じはとても実用的に見えますが、そもそも5Xは3×3の場合の攻略で言及された通り、5Lの都合により左待ちがベストなので、右待ちを態々選ぶ必要は無かったりします。ただ、左側が壁で埋まった時の緊急待避として、もしかしたら使える可能性はあるかもしれません。こんな場合も5Cであればフォロー可能ということであり、やはり5Xとのベストバディは5Cであるということを見せつける回転法則です。

Fig. 11
Fig. 12
Fig. 13
Fig. 14

本作唯一の特徴を持つD面は、使いどころが難しいが決まれば爽快

 理論上はダブルまで狙うことの出来るD面は、本作の他の全てのポリキューブには出来ない芸当である、「最下段の離れた2箇所の隙間を1回で埋めることが出来る」性質があります*2。しかし当然ながら、この2つの1マス置きに離れた穴は2箇所無ければ埋めることが出来ず、他の形態でも1マスだけを埋めることが出来る手が無いため、5Cの大きな弱点の1つとして知られています。それでもこの形態には利点があり、中央が高くなった形を均すことができるので再び整然とした地形を整えることが出来るのです。被せによって1段高くなるということは場合によって大きなリスクを伴いますが、コーナーから高めに固めることによって残りの中央部を狭めつつも待ちを殺さない戦術に移行できます。一番わかりやすい例としてはやはり5Xにご登場願わなくてはなりませんので、Fig. 15をご覧下さい。最下段に5Xを差し込んだ時に、更に5Cを被せると、平らな高さ4の壁が出来ます。4段は殆どのピットで半分近い高さを占めるため(20面および、それ以降の1〜3面台を除く)、レベルが高くなったら真っ先に捜査中のポリキューブをそこから待避させなければなりませんが、ピットの狭い状態で安全なゴミ捨て場を確保できるというのであれば悪くありません。
 そして、この差し込み形状の妙は、特に底面積の広いピット(5面台、7面台、8面台)で真価を見せます。5面台では3〜4の長さのポリキューブが飛び交うため、中央に十字受けを幾つか設けておくといつの間にかリーチ目が出来ていることが多くなります(Fig. 16)。7面台も同様に長さが3〜4のポリキューブでコーナーが余ったりしやすく、更にCS/CZなどで限定的な目(7面台で控えたい鉤型の差し込み待ち)を作らされると危険です。5CのD面を上手く使える場面に持ち込むなど、CS/CZを何個1使いしても邪魔にならない地形を目指すと、5Cが生きてくる場面が見られる可能性が高まるでしょう。8面台については当然のことながら横が最長の7という底面ですから、5Xの平置きなどが容易だったり、4T, 5T, 5Kなど中央に伸びたポリキューブがあったり、4Sなども宛がうチャンスがあります。立体を上手く扱って、高低差が極端にならないようにしてやれば、5CのD面にお世話になる場面が出てくると思われます。
 最後のおまけですが、Fig. 18では、5Lで説明した直感に反するCボタンでの回転を見ることが出来ます。5CのD面のC回転は、U面の回転の場所を変えただけの物であり、2段目だけが穴を開けた状態で回転を求められる機会はないものと思われます。

Fig. 15
Fig. 16
Fig. 17
Fig. 18b

Bボタンの回転は全体的にトリッキーだが、稼ぎに有用な手だけ覚えよう

 Bボタンの回転は、大きく3通りに分かれます。まず、平置きの窪地がY軸に向くタイプ(A0→L0→A0, A2→L2→A2)は、2手でループ発生するタイプで、平置きと高さ3が入れ替わるという最も階段落としに適した回転です。こちらはX軸で対称の形になっているので、A0とA2は180°入れ替えれば良いことになります。この時の階段落としは、L0/L2形態で落とし始めた時に、壁蹴りをしない場合は横移動を使わないことがこつです(Fig. 19a)。 Fig. 5aとよく似た形で5Cの足が残ってしまうので、上移動で回避するか、それが出来なければそのままB回転しか無いわけです。ただし、壁蹴りの場合はFig. 19bのように、窪地を計算してちゃんと余計に100点稼ぐということも押さえておきたい所です。
 次は平置きと高さ2の入れ替わるタイプ(A1→U1→A3→D1→A1)のパターンです。回転軸は長さ3の部分の中央に属しますので、回転軸の浮いているD1からBで回してA1に戻る時に限り階段落とし(Fig. 20)がその場で発生します。もう1段の階段落としを狙う場合には、レバーを入れっぱなしにしておく必要があります(もしくは→BでA1→U1のパターンに倒す)。それ以外は軸になっている3I部分がずっと同じ高さに位置する(そしてA3→D1は床蹴りorブロック蹴りが必ず発生するので設置は不可)ので、これ以外に点数に貢献するパターンはありません。なお、U1→A3のパターンはFig. 14で紹介した伏せる形の回転入れとして紹介済みです。
 最後は高さ2と高さ3が交互に入れ替わるタイプ(L1→U0→L3→D0→L1)です。L1→U0のパターンは、3Iの階段落としと殆ど感覚が同じですが、気をつけるべきパターンはL3→D0の2つの足を地面に下ろす場合で、これは床に付いている高さが変化しないため、その場では階段落としが成立せず足が1段上で引っかかり硬直する危険性があります。Fig. 21がL3→D0のパターンで、5コマ目までは最終着地点の窪地が足の間に直接挟まる置き方になります。実はこの回転では5Cは1マスしか落下しないので、これが正着となります。一方で、6〜11コマ目はロスをしないパターンですが、途中の7コマ目で硬直する危険が極めて高いパターンで、この状況ではBを先に押すのではなく、レバーで↑を1回押してから↓を入れて戻すのがより安全です。

Fig. 19a
Fig. 19b
Fig. 20
Fig. 20

総括

 5Cは1×2×3の直方体の中に収まる非常に軽量なペンタキューブであり、その独特のフォルムは、このゲームで最大の問題である「十字対策」に非常にソリッドな回答を与えてくれるだけでなく、立体テトラキューブと組み合わせて使いやすい地形を与えてくれるなど、見た目以上に使い勝手の良いポリキューブです。A面U面は所謂十字対策で必要な待ちを一発で提供してくれる他、5Xや4TのU面のように中央が高くなる悪形はD面で塞ぎ切ることが出来ます。更に、L面はスライド専用ではなく実は2マスを埋めるポリキューブと見なした方が生存率がグッと高くなりますので、見た目の使い難さよりも弱点が余り無い優秀な手駒と言えるでしょう。
 ただし、5Lのように3×3の真ん中に弱かったり、4Oのようにたった1マスの窪地を埋められないという、決して小さくない弱点もあります。その分上手くその力を使いこなせれば、プレイに大きく幅を持たせることが出来るという不思議な魅力を持ったポリキューブと言えるでしょう。

[*1]この形状での5Hは、それでも平置きによるフェイス消去が最も無難なところである(D面であることにも注意したい)。出現位置のA0による2使いは、y=2の横一列が高くなり、典型的なレーン地形である(4Y, 5K, 5Fの綺麗な受けが無くなる)。また、L/R面に1使いは中央に置けない。[(2,2,3)]という障害物が出来上がってしまうからだ。
[*2] これも他の項で説明した通りだが、原作版の41種に拡大しても、5A(斜め45度に配置された2つの穴を一度に埋めることが可能)と5Cのみが持つ性質である。


目次: 1I | 2I | 3I | 3L | 4I | 4L | 4T | 4O | 4S | 4Y | CS | CZ | 5I | 5J | 5Y | 5X | 5T | 5L | 5C | 5P | 5Q | 5K | 5H | 5F
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